雑感

「ながら聞き」は今すぐ止めて!子供の話は「聴く」ことが重要

仕事から帰ってきて一息つく間もなく「パパ、パパ!聞いて!」と子供の声。

疲れているし、スマホゲームはしたいし、たかが子供のする話、といい加減に聞いていませんか?

スマホを触りながら、お皿を洗いながら、テレビを観ながら、食事をしながら…。

子供とのコミュニケーションは「ながら聞き」では成立しません!

しかも、お粗末な「ながら聞き」は子供のやる気や自尊心を削いでしまう可能性もあるのです。

それでは、子供の未来を潰さない様に話を聞いてあげるにはどうしたらよいのでしょうか。その答えは「傾聴」というコミュニケーションスキルにあります。

今回は、傾聴をするメリットと具体的な方法について解説します。

「傾聴」とは

傾聴とはコミュニケーションスキルのひとつ。

「聞く」が無意識に耳に入ってくるような音も含めるのに対し「聴く」は熱心に集中して聴くことを表します。「聴」の文字にあるように、目と耳と心を使って相手の心に寄り添い話を聴きます。

一般的な会話がキャッチボールだとしたら、傾聴はひたすらに相手の話をキャッチし続け投げ返さない、そのようなイメージです。

傾聴が子供の心を豊かにする

話をしっかりと聴いてもらえなかったり、発言を頭ごなしに否定されたりした経験が積み重なってしまった子供は、心に傷を負います。はっきりとは自覚していなくても「自分自身や自分の話には価値がない」「自分は間違っている」と感じてしまうのです。

傾聴では、相手の行動や発言について否定しません。

否定されずに話を聴いてもらえた子供は安心感を覚え、失敗談や悩みも恐れずに親に話してくれるようになります。「もっと話したい」と感じ、世界の様々なことに興味を持ちます。

無条件に親に受け入れられた経験は子供の心を強く、豊かにするのです。

家族に話を聞いてもらえた子供は学力が向上する

会話が好きな子供は、次々に新しい知識や言葉を吸収し語彙力が高くなります。語彙力が鍛えられることによって、読解力や表現力、文章力が向上します。

さらに傾聴によって心が安定している子供は「また話を聴いてほしい」という気持ちから多くのことに関心を持ちます。積極的に自主的に学習に取り組むようになり、結果的に学力の向上に繋がります。

仙台市で行われている「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」でも、成績上位層の子供の多くが「家族に話をしっかり聞いてもらった」と感じていることが明らかになっています。

子供の話を「傾聴」する方法

最後に、子供の話を傾聴する具体的な方法を教えます。ぜひ今日から役立ててください。

顔を見る

子供の話を傾聴する際には、家事をやりながら、スマホを触りながらといった「ながら聞き」をしてはいけません。子供が話を聴いて欲しい素振りを見せた時には、一度手を止めて、しっかりと子供の目を見て話を聴きましょう。

子供の話をしっかりと聴くためには、親自身の心と身体の余裕が必要です。

普段から睡眠を十分に取るなど健康維持に努め、必要があれば家事を外注するなど親自身が精神的な余裕を持つようにしてください。

共感する

目線だけではなく心理的にも子供の立場に立ち、無条件で共感を示します。

例えば「消しゴムを拾ってもらえなくて悲しかった」と言われたら、解決策を提示するよりも先に「そっか、悲しかったんだね」と共感してあげるのです。

相手の言葉を繰り返す以外にも、別の表現で言い直したり、相手の話を要約してあげたりします。子供は語彙が少ないので、自分の気持ちを的確に表現できないことがあります。

そのような時は「それは寂しかったってことかな?」などと押し付けにならない範囲で代弁しながら言葉を引き出してあげるのも有効です。

否定しない

子供の悩みや相談事は、大人にとって「くだらない」「つまらない」と感じるような内容なことがあります。ときには間違ったことを主張している場合もあるでしょう。

そのような時でも大人の価値観で頭ごなしに否定せず、まずは気持ちに寄り添い、共感を示してあげます。

相槌を打つ

「そうだね」「うん、うん」「それで?」など、相手の話すスピードや内容に合わせて相槌を打ちましょう。

話はただ耳に入れればいいというわけではありません。ときどきは相槌を打ち、子供の話を引き出して上げます。話に相槌を打ってもらうと、子供は黙って聴いてもらった時よりもずっと「聴いてもらっている」と実感できます。

質問をする

子供はまだ話をすることが上手ではありません。語彙が少なく感情的に話すので、親は話の時系列や登場人物、気持ちなど、聴いていて混乱してしまうこともあります。

そんなときは、ぜひ子供に質問をしてください。適当に聞き流していると、子供は「話を聴いてくれていない」と感じ、不信感を抱いてしまいます。

質問はできるだけ簡潔にし、話の流れを変えないように心がけてください。

<出典> 

仙台市教育委員会(2013)「Change!せんだい」(学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト資料),<http://www.city.sendai.jp/manabi/kurashi/manabu/kyoiku/inkai/kanren/kyoiku/documents/h26change.pdf>(参照2020-09-25)

森下和海(2017)「"ながらスマホ"で子の芽を摘む気の毒な親―東大生の親の「共通習慣」と正反対―」,<https://president.jp/articles/-/23163>(参照2020-09-25)

-雑感